織架(しょっか)と呼ばれる大きな鉄枠に、絨緞のベースとなる布を緩まないようにしっかりと張ります。指の関節にマメができるほど力の要る作業です。
糸をカセから巻き取っていきます。絨緞をつくる際、1本の糸だけでは細すぎるので、5~6本の糸を合わせて1本として使用します。
織架に張った布に、型紙をあてながら直接鉛筆で下絵を書きます。穂波シリーズの「みのり」のように丸い模様を書く場合は、コンパス状の道具を使って円を書きます。
下絵に沿って、フックガンという機械で糸を打ち込みます。ループパイルの場合は糸をクルっとひねって打ち込み、カットパイルの場合は打ち込む際、フックガンに内蔵されているハサミで糸の先端をカットします。
糸を打ち込んだ絨緞の裏側にゴムラテックスというスプレーのりを塗布し、全体を固定すると同時に糸抜けを防止します。
ゴムラテックスを塗布した上から布を貼り、ジェットヒーターの熱で乾かしながら水分を蒸発させます。
余白を残した状態で織架から切り取り、余白部分を裏側に折り返して速乾性のラテックスを塗りアイロンの熱で貼り付けます。折り返すことでほつれ防止にもなります。最後にハサミで整えて完成。